少年法改正問題。少年法改正の厳罰化で少年犯罪は減るか
本日(平成26年4月11日)、少年法の改正が衆議院本会議で可決され、成立しました。
大まかに言うと、懲役(又は禁錮)を最大で20年に引き上げるなど刑が重くなったようです。
もちろん、刑罰は重ければいいというわけではありません。
極端な例ですが「期限に遅れたら死刑」といったルールを作ったとしたらかえって社会が混乱します。
前漢を興した劉邦は、確か土木工事か何かに遅れ「このままでは罰として死刑になってしまう」と考えて秦に抵抗しました。
罰は重すぎるとかえって守られなくなりますし、反発も招きます。
罰則にはバランスが必要なのです。
加えて少年(20歳に満たない男女)の場合は、「可塑性」ということを考慮する必要があると言われます。
少年は発達途中なので、環境を変えるなり教育するなりすれば、正しい道に戻る可能性が高いという考え方です。
そのため、大人であれば起訴されるようなことをしても、少年は鑑別所に送られるだけということが結構あります。
昔、「カメレオン」という漫画で久古明夫が鑑別所から帰ってきてから高校に復学したり真面目にバイトをしたりしていましたが、要するに彼には可塑性があったわけです。
しかし、多くの場合犯罪には被害者がいます。
犯罪にあって怖い目に遭ったり、お金を取られたり、場合によっては死んでしまうこともあります。
被害者からすると、加害者が大人であるか少年であるかということに変わりはありません。
そんなわけで、世の中的な意見として、「いくら可塑性があるとはいえ、少年にもう少し重い罰を与えても良いのではないか」という論調になってきたのでしょう。
とはいえ、少年法は2000年の改正の際にも重くなっています。
にもかかわらず、少年犯罪が減ったというデータは示されていないようです。
この点については、例えば以下のサイトが参考になります。
http://kogoroy.tripod.com/hanzai-h19.html
(少年犯罪は急増しているか(平成19年度版))
http://matome.naver.jp/odai/2136723173418248601
(実は昔の方が圧倒的に多かった少年犯罪)
個人的には、厳罰化しても少年犯罪が減るということはないと思いますが、かといって可塑性を重視して、刑を軽くするのはどうかと思うのです。
もちろん、自分が事件を受けた時は可塑性を大いに主張するのですが・・・