窃盗罪|自動車窃盗を心神の障害で繰り返す「累犯障害者」
産経新聞に、「累犯障害者」というテーマの記事が掲載されています。
犯罪を繰り返し行う知的障害者の方をどうすべきか、という話です。
(参考サイト:【累犯障害者(中)】法廷で叫んだ「おれ、めんきょとってくるまかう」…福祉も限界「今回は無罪にならぬほうがいい」(1/3ページ) ? MSN産経west)
記事で紹介されている方は、自動車を持ち去ったことから窃盗罪で起訴されていたのですが、平成25年に「責任能力がない」(良いことと悪いことの区別ができない)という理由で無罪となりました。
にもかかわらず、平成26年に再び自動車窃盗を行ったようなのです。
犯罪癖のある知的障害者をどう処遇すべきかについては非常に難しい問題で、これだという回答がありません。
理想としては何らかの施設や病院で処遇を行い、犯罪をしないような状態となった所で社会復帰を行うことだと思われるのですが、どうすれば「犯罪をしないような状態」へと持っていけるかが現代の科学では解明されていないのです(もちろん、知的障害がないにもかかわらず何度も再犯を行うような方についても同様の問題があります)。
今回の方についても、無罪となった後は施設に通いながら社会復帰を目指していたようです。
しかし、施設の方が「車を運転するには免許がいる」ということや、「人の車をとってはいけない」ということを繰り返し伝えたにもかかわらず、今回の事件が起きてしまいました。
施設での矯正には限界があるのです。
施設もダメ、刑務所にも入れておけないならどこかの島にでも隔離しておけということをおっしゃる方もいますが、人権上の問題が生じます。
結局、人権に配慮しながら適切な矯正を行うためにはどうしたらいいかという点については非常に難しい問題があります。
隔離するのか、社会内で処遇するのか、また治療で良くなるのかという点については悩ましい問題です。