土佐犬事件は重過失致死罪！ 土佐犬にかまれた人が死亡
北海道で、放し飼いになっていた土佐犬にかまれて人が死亡するという事件が起こりました。
流れ星銀河に出てきた土佐犬の紅桜は、闘牛の背骨を一撃でへし折るほどの力を持っており、赤カブト（注：ヒグマです）との戦いでも多大な活躍をしました。
土佐犬は人間なんて簡単に殺してしまうほどの力を持っているのです。
とはいえ、犬のしたことです。
飼い主に責任はないのでは？という気もするのですが、そうはいきません。
総理府告示28号（昭和50年7月16日）では、「犬又はねこの所有者又は占有者は、犬又はねこの本能、習性及び生理を理解し、家族同様の愛情をもって保護するとともに、人の生命、身体又は財産に対する侵害を防止し、及び生活環境を害することがないよう責任をもって飼養及び保管に努め、並びに犬又はねこの所有者は、犬又はねこを終生飼養するように努めること。」と規定されています。
長いのですが、要するに飼い主は、犬による『人の生命、身体又は財産に対する侵害を防止・・・するよう努め』なくてはならないのです。
そうすると、放し飼いにしていたり、綱をつけていてもすぐに切れるような状態になっていた場合には、飼い主がきちんと管理していなかったということになるため、過失があったということになります。
過失があれば民事では損害賠償責任を負わなくてはなりませんし、刑事であれば過失傷害罪（刑法209条1項）や重過失致死罪（刑法211条1項第2文）です。
なお、県によっては条例違反も加わります。
東京都の場合は「東京都動物の愛護及び管理に関する条例」というものがあり、飼い犬が人をかんだ場合にちゃんとした措置をとらないと5万円以下の罰金です（29条1項、39条2号等）。
私も犬を飼っています。
犬との利害が一致するようなときは何となく心が通じあっているような錯覚に陥るのですが、よく見ていると「こいつ全くわかってないな・・・」と感じます（一緒に焼き鳥を食べようと買ってくる時などは何事かを察して私が帰宅する前からおとなしく待っているようなのですが、食べ終わった後はいつも通り全くいうことを聞かなくなります）。
人をかんだ犬が必ず殺処分になるわけではないですが、一時的に拘束されるなどかわいそうな目に遭います。
犬を自由にさせたいという希望があるのは分かりますが、きちんと管理しないと、犬にとっても飼い主にとっても不幸なことになるのです。
