10万円でビールが一生飲み放題!は、日本でもできるのか。
クラウドファンディングという言葉を聞いたことがあるでしょうか。
インターネットを通じて不特定多数の人から資金などを集めることをいいます。
魅力的なサービスや商品を開発することをPRすれば、一気に資金が集まることもあります。
私も、自転車用の折りたたみヘルメットや、渋谷に夜の図書館を作ろうというクラウドファンディングに参加したことがあります。
折りたたみヘルメット http://www.ulule.com/overade/
夜の図書館 http://camp-fire.jp/projects/view/997
図書館は完成した模様。今月オープニングイベントがあります。
ヘルメットはいつか届くはず。
さて、クラウドファンディングの定義と少しずれるかもしれないのですが、素敵な方法で資金調達に成功したビール屋の記事を拝見しました。
「一生ビールが飲み放題で10万円!」〜飲食店の新しい資金調達方法が凄い。
http://kyouki.hatenablog.com/entry/2014/06/11/075611
アメリカのミネアポリスにある「Northbound Smokehouse & Brewpub」というパブが、「1、000ドル払うと一生ビールが無料」というキャンペーンを行い、多くの資金調達に成功したとのこと。
ビール1杯500円として、10万円というと200杯。
1回4杯ずつ飲めば50回通うだけで元がとれます。
あとは一生無料ビール。夢が広がります。
ぜひとも近所の居酒屋でやって欲しいわけなのですが、果たして日本でもできるのでしょうか。
出資と結びついているので何となく出資法や金商法など色々な法律が関わってきそうに見えますが、要は「ビール飲み放題契約」ですから日本でも合法なはずです。
現に日本でも、遊園地の年間パスポートや、スーパーの「ボトルを買うとアルカリイオン水が一生無料でもらえるサービス」など類似のサービスが存在します。
出資法に違反しないか。
出資法(正式名称:出資の受入れ、預り金及び金利等の取り締まりに関する法律)で関わってきそうなのは「不特定多数の者に対する、元金を保証した出資の受入れ」です。
要は誇大広告の禁止。
あたかも出資金が戻ってくるかのような誤解を与えてはいけないのです。
違反すると3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金(又は併科)。
これは「10万円分飲む前に倒産してしまうかもしれません」ときちんと説明しておけば大丈夫でしょう。
金商法に違反しないか。
投資タイプのクラウドファンディングの場合、金商法(金融商品取引法)の規制を受けます。
ただ、今回は売買タイプである上、そもそもクラウドファンディングかどうかも微妙なため、基本的には金商法の規制を受けません。
その他、何か法律に違反しないのか。
弁護士をやっていて一番難しいのがこの質問です。
やり方によっては何だって法律に違反する可能性があるわけで、ケースバイケースとしか言いようがありません。
ただ、「ボトルを買うとアルカリイオン水が無料でもらえるサービス」が日本でも合法なので、これに近い形であれば合法であると思われます。
ということで、多分合法だろうという話になったのですが、実際にやる時は自己責任でお願いします。
投資色が強い方向にアレンジすると様々な法規制を受けることは確実です。
本気の方はご相談ください。
あらゆる角度から検討します。