救われない…出会い系詐欺の被害者の末路
出会い系詐欺の相談が絶えません。
最近では、直接的な出会い系、要するに「サクラとメッセージのやりとりをさせて有料のポイントを消費させるタイプ」は少なく、「お金あげます系詐欺」が多いように思います。
イメージで言うとこんな感じ
1 「おめでとうございます。1億円差し上げる準備ができました」的なメールが届く。
2 「受け取りの手続きをするためにお金が必要」だの、「銀行口座を直接メッセージでやりとりするにはお金が必要」だの言われるのでお金を振り込む。
3 何度振り込んでも一向に1億円は振り込まれない。
もしかしたら、あなたのところにも「おめでとうございます。」的なメールが届いたことがあるかもしれません。
以前は携帯電話へのメールが主流でしたが、最近ではフェイスブックやラインのメッセージで届くことが増えています。
巧妙なものになると、初めは単なる友達的な連絡しかしないで、仲良くなってからお金の話になることもあります。
この会員と、サイトのメッセージを通じてやりとりするうちに、「必要経費だ」などと騙されてこちらがお金を振り込んでしまうのです。
お金あげます詐欺のポイントは、表面上はお金の授受に運営会社が一切関与していないことです。
サイト内で知り合った自称社長などから「お金をあげる」といったメールが届き、あくまで「個人間で」やりとりをして、お金を振り込んだという形になるのです。
払ったお金を返して欲しい場合はどうすればいいのか
国民生活センターに連絡するか弁護士に相談して下さい。
私が受任した場合は警察と協力して銀行口座を凍結したりしつつ、サイトの運営会社に連絡をして交渉します。
サイトが運営中であればある程度のお金が返ってくることが多いです。
なお、現金で振り込んだ場合は返金してもらうしかないですが、カード払いでまだ引き落としがされていない場合は、カード会社に電話して決済を取り消してもらうこともできます。
ただ、ビットキャッシュだとかの場合は支払ったときの明細がないと証拠不十分で返金が無理なことも多いです。
残念ながらサイトがなくなってしまったあとはほとんど回収の見込みはありません。
とはいえ、多くの場合は別の運営会社が引き継いでいたりするので、その場合は交渉の余地があります。
サイトの運営会社とはどのように交渉するのか
上で述べたように、運営会社はお金の授受に関与していないことになっています。
なので、「サクラだと思うのでお金を返して下さい」というだけではなかなか返金されません。
このような場合は、サイト内の規約の法律違反を指摘するなどして、「違法な行為があったんだから責任を取るように」と主張すると話が前に進むことが多いです。
また最近では、「メッセージのやりとりしていた相手方会員の情報を出せ」というと返金に応じることも少なくありません。
法律上、運営会社は登録の際に年齢確認を行わなくてはなりません。
したがって、本当に会員登録がなされているのであれば、運営会社は利用者の免許証のコピーなどを持っているのです。
サクラであればこういった資料がないわけですから、「じゃあお金を返してくださいね」という話になりやすいのです。
サイトが完全に閉鎖され、他の会社にも引き継がれていない場合はどうするか
代表者個人に対して訴訟を提起するしかありません。
社名が分かれば法務局で法人の登記を取得し、その後住民票などから現在の居場所を突き止めます。
ただ、最近では本社を外国に置き、代表者も外人っぽい方がやっている場合が結構あるため、その場合は住民票や戸籍から個人を特定することが不可能となります。
また、残念ながら住民票を動かさずに引っ越していたり、訴状が届いても無視したりする方も多いため、裁判をしてもお金が回収できないことが多いのが実情です。
といっても判決を取れば時効が10年となりますし、何か分かったときはすぐに強制執行ができますから、私はできるだけ判決を取るようにしています。
まとめ
結局、出会い系サイトにお金を振り込んでしまって返ってこないということがほとんどです。
数百万円をだまし取られたという方も多数いらっしゃいます。
当たり前のことですがメールで知り合った赤の他人がお金をくれるということは「絶対に」ありません。
どうか皆様が騙されないことを願います。