【いれずみ】 刺青/タトゥーを入れるのを躊躇するこれだけの理由
刺青(いれずみ)を入れた方をよく見かけます。
先日行われたワールドカップでもかなりの選手の腕や足に刺青が入っていました。
ミュージシャンも多いですね。
私の好きなシェールロイドも確か刺青を入れています。
さて、日本での刺青の印象がどうかというと、年代だとかによってだいぶ違うのでしょうが、若い人ほど抵抗が無いように思います。
20代30代の女性は5%くらいの割合で入れているイメージ。
国選で出会う被告人の方だと半分くらいの方が入れている印象です。
警察の調書にも必ず刺青のことが記載されます。
この記事を思いついたのも、先日受任した事件の被告人の方が刺青を入れていたのを見たのがきっかけ。
刺青を入れるかどうかは基本的に個人の自由だという意見も多いでしょうが、一方で抵抗がある方もたくさんいらっしゃるはずです。私もその一人。
というわけで、刺青がどうしてダメなのか、デメリットと言われている点について検討してみました。
1 体に良いワケがない
(1) 針を使いまわして肝炎やエイズになるおそれがある
血が出るので一応こういったリスクはあります。
ただ、さすがに最近はどの彫師の方も注意しているはずなので、刺青で肝炎になるリスクは相当低下しているはずです。
もちろん、リスクは0ではないですし、外国などで入れるというのであれば要注意というか、きちんとしたところでない限り入れるべきではないでしょう。
(2) 刺青のインクに重金属が含まれていて体に悪い
これは本当に体に悪い模様。
重金属が含まれていないインクを使う彫師の方を選ぶしかありません。
万が一重金属が体内に入ってしまうと、解毒しようと肝臓が一生懸命働いて、肝機能が低下したり最悪の場合病気になってしまうこともあるようです。
なお、重金属が体内に入ると、病院のMRIを利用する際にも支障が出ます。
MRIが原因でやけどをする可能性があるらしい。
ちゃんとしたインクを使えばこのようなリスクを回避できるようですが、最終的には病院の判断になるので、刺青を理由にMRIを断られても文句は言えないでしょう。
(3) 「インクが天然素材だから大丈夫」は本当か
必ずしもそうとはいえないでしょう。
まず疑ってかからなければならないのは「天然素材」という言葉。
この言葉自体正確な定義がない上、天然素材だから直ちに「良いもの」を保証するわけでもありません。
例えばちょっと前に「茶のしずく石鹸」でアレルギーになったという事件がありました。
これは、「天然素材」で作られた茶のしずく石鹸を利用したところ、小麦粉アレルギーになってうどんやパスタが食べれなくなったという事件です。
私の理解するところでは、茶のしずく石鹸をつかう⇒中に入っていた小麦粉(天然素材)が皮膚から体内へ侵入⇒普段入ってこないルートから大量の小麦が!ということで抗体が小麦を敵認定⇒小麦粉の含まれた食品にもアレルギー反応が出た、という経緯だったはずです。
というわけで、刺青についても天然素材のインクが原因でアレルギーとなることもあるはずです。
もちろん、これはあくまで「可能性」ですが、針の使い回しで肝炎になるのとは違ってどんなに気をつけても発生しうるリスクです。
加えて、いくら天然素材とはいえ体にとっては異物ですから、肝臓は解毒しようと頑張るはずです。
したがって、最終的に肝臓を悪くするリスクも高まるといえます。
2 保険に入るのに苦労するらしい
一切の保険に入れないというわけではありません。
ちなみに私が入っている保険の約款を見てみましたが、刺青だからダメとは書いてありませんでした。
ただ、加入時に刺青がバレると加入を拒否されることがあるようです。
上述のように最近では刺青が原因の肝炎のリスクが相当低下しているので、どうして拒否するのかよく分かりませんが、恐らく反社会的勢力に加入していると思われたり、肝臓が解毒のために余分に働くので、類型的に病気になるリスクが高いと考えられるからでしょう。
保険というのは高い買い物なので、できるだけ条件が良い物に入りたいのが人情です。
保険が自由に選べないだとか、加入できて「やった!」と喜ぶようなのはちょっと嫌ですね…
3 プールや銭湯、スポーツジムに入れない
ってよくいいますけど、実際は普通に入れてませんか。
私は頻繁に銭湯に行くのですが、「刺青の方お断り」的なことが書いてある銭湯でも大抵は背中いっぱいに刺青が入った中年男性がいます。
どうして番台さんが何も言わないのか、これは私の仮説なのですが、町の銭湯(普通公衆浴場)というのは、「日常生活における保健衛生上必要な入浴のため」に設置されているので、銭湯の側が入浴を断って不潔な人が増えたら法の趣旨に反することになります。
ということで刺青があっても普通に入浴できるんじゃないかと考えています。
よって、普通公衆浴場ではない健康ランド的なところ(特殊公衆浴場)やプールでは入浴を拒否されても文句は言えないでしょう。とはいえこういうところでも刺青をしばしば見かけますが…
まとめ
刺青のデメリットを整理すると、保険や銭湯やMRIの拒否など「日常生活に不利益が生じる可能性」が増えるのと、肝臓を悪くする可能性があるのと、アレルギーになるリスクが高まるといった辺りでしょうか。
まあみんなが刺青をして肝臓を悪くして保険料が増大したらそれは国にとってマイナスですが、だとしたらお酒やタバコも同じ理屈でダメということになるので難しい問題です。
ちなみに価値観が変わるだのといった個人的な問題点も考えられるのですが、それは純粋に個人の問題なので今回は検討を省きました。
最後に、彫師の方が刺青を入れることはそもそも医師法に違反する恐れがあります。
とはいえ、刺青を利用して眉毛などを書く「アートメイク」の摘発例はあるのですが、刺青についてはここ何十年か摘発はない模様です。
今後、刺青を入れる方が増えるとアレルギーなどの健康被害も増加することが予想されます。
そのような被害が出た場合には警察も動かざるをえないため、将来的には彫師の方が医師法違反で摘発されるということもあるでしょう。
以上、色々と検討してみました。
こうだよ!とか、違うよ!とかあったら教えて頂けると嬉しいです。