揺らぐ新司法試験。青柳幸一教授が司法試験の問題を漏洩!?

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揺らぐ新司法試験。青柳幸一教授が司法試験の問題を漏洩!?

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明治大学法科大学院の青柳幸一教授が、司法試験の問題を教え子に漏らしていたという驚きのニュースが報道されています。
青柳幸一教授が司法試験の問題を漏洩!?
青柳教授は、新司法試験が始まって以来10年にわたって憲法の試験問題の作成と採点に携わってきました。

 

特に、問題作成にあたっては「主査」という中心的な地位におり、問題はもちろん試験後の講評についても青柳教授の意向が強く反映されていたといわれています。

 

受験生ならだれしも過去問と講評を検討しながらどういった答案を書くかを思い悩んだことがあるはずです。

 

というように、青柳教授は司法試験受験界では非常に影響力が強い超有名人でした。

 

私は残念ながら直接教えて頂いたことはありませんが、受験にあたっては論文集を一通りチェックしました。

 

というわけで、あの先生が・・・と非常に驚いています。

 

 

憲法の問題が満点だったことから漏洩が発覚!?

 

ネット上には、試験問題を教えてもらった女子学生がデータの入ったUSBメモリを置き忘れ、それを第三者が発見したという書き込みがありましたが、真偽は定かではありません。

 

報道では、憲法の問題が満点だったので不自然だと判断し、調査したとのこと。

 

個人的にはこちらの方が説得的だという印象です。

 

 

試験の結果が満点だと不自然なのは、時間内に全ての採点項目に触れるのが無理だから

 

「試験なんだから満点でもいいじゃないか、満点だとおかしいとはどういうことか」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。

 

しかし、司法試験の論文試験はかなり難易度が高い上に時間がありません。

 

制限時間内に全ての採点項目に正しく触れた答案を書くのは不可能です。

 

例えば司法試験ではないですが、こういう問題が出たとしましょう。

 

 

「新宿付近から東京駅まで電車で早く・安く移動する経路を説明せよ」

 

模範解答は、「新宿駅からJR中央線に乗り、東京駅で降りる。」でしょう。

 

採点項目としては、中央線に触れていれば8点JRという所に触れていれば2点加点で10点満点

 

総武線と書いたり丸ノ内線と書いた場合には各6点とか5点とか決めておけば差がつけられます。

 

山手線で移動すると書いた場合には3点くらいですかね。

 

もちろん、これは簡単な問題なので差が付きにくいわけです。

 

しかし、

 

「あなたは代々木公園の中央広場の池の前にいます。
ここから公共の交通機関のみを使って朝霧高原までできるだけ早く・安く移動する方法について論じなさい。
ただし、東京メトロ千代田線・小田急線は人身事故であと60分は動かないものとする。」

 

といったように条件が付け加わってくると途端に採点項目が増えてくる上に、一体何が採点項目かということも見えにくくなってきます(徒歩でJR原宿まで移動する経路をどの程度説明するかということだけで悩みます)。

 

そう簡単に満点をとることはできません。

 

司法試験の問題はA4の用紙数枚にわたります。
一方で試験時間は2時間ほど。

 

このような短時間の中で、法律論を述べ、問題文に出てきた条件や材料に全て触れるということは絶対に不可能です。

 

 

憲法の答案が満点だと、司法試験の合格には相当有利!!

 

さて、では1科目の答案が満点の場合、司法試験の合格にはどれくらい有利なのでしょうか。

 

試験科目や配点は頻繁に変わるのですが、概ね65%くらいの得点を取っておけば合格すると言われています。

 

論文試験の科目は8つ、800点満点の65%とすると520点が合格安心ラインといえるでしょう。

 

ちなみに得点率が6割を切るとちょっと心配、逆に7割を超えるとかなり上位に食い込めます。
このわずか1割の間に何千人もの受験生がひしめき合っているのです。

 

なお、司法試験の得点は、一度普通に採点した後、偏差値換算を行い、その後更に点数化するという方法で最終的な得点を計算しているようです。

 

今回「満点だった」というのが最初の採点の段階で満点だったのか、偏差値換算後に点数化した段階で満点だったのかは不明ですが、いずれにせよ1点が合否を分ける試験ですから、1科目が満点というのは合格にとって非常に有利だと言わざるをえません。

 

 

告発された「国家公務員法違反」はあまり重くない!

 

国家公務員法の何に違反したのかという点についてはあまり報道がないのですが、恐らく「職務上知り得た秘密を漏らしたらダメ」という条項でしょう(100条1項)。

 

ところがこの罰則、1年以下の懲役または50万円以下の罰金とあまり重くありません(109条12号)。

 

ネット上では、偽計業務妨害罪とかその他の特別法違反などを組み合わせて処分されるのではないかという予想がなされています。

 

全身グリーンのディオールか何かのダブルのスーツを着てきたり、試験後の講評で「答案に誤字脱字が多すぎる」と苦言を呈しておきながら満を持して出版した自身の本が誤字脱字だらけだったりと、そのキャラクターも含めて愛されていた(と私は思っていた)青柳教授ですが、漏洩はダメじゃないですか・・・

 

青柳教授は憲法の中でも「平等権」が専門のはずです。

 

論文の中では何が合理的な区別で何が差別化ということを徹底的に議論していました(論文集「自由・平等・友愛−憲法のこころ」参照)。

 

にもかかわらず女子学生に漏洩とは、不平等も甚だしいと思うのです。

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