【ぼったくりバー】歌舞伎町の客引きについて行った結果
気付けば今年も11月。
年の瀬もすぐそこです。
忘年会などでお酒を飲む機会も増える季節。
そんな時、気をつけたいのがぼったくりです。
新宿の歌舞伎町では今年に入って飲食店のぼったくり被害が急増し、1ヶ月で300件以上の被害が申告された月もありました。
旧コマ劇裏の交番には毎晩ぼったくりの被害を訴える客が押し寄せ、通行に支障が生じた日もあったとのこと。
しかし、警察も黙ってはいません。
夏以降は取り締まりを強化し、いったんは被害が下火になったようです。
とはいえ、被害は0になったわけではなく、夜になればあちこちで客引きを目にします。
今回は、そんな新宿の歌舞伎町で客引きについて行った話。
夜ともなれば少し肌寒くなった季節。
会計を終えて1軒目の飲み屋から出ると先に外へ出ていた連中から「2軒目が決まりました」と声がかかりました。
ところが先頭には店員と思われる見知らぬ男性。
あれ…?これって客引きについて行ってるんじゃ……
「あの、普通の店ですよね」と男性に尋ねたところ、「うちは飲み放題2時間で2000円、何?おねえちゃんのいる店がいいの??」と言われてしまいました。
どうやらこのお店、キャバクラではなく普通の居酒屋のようです。
この客引きに最初に捕まったのは地元(長野)から出てきた後輩。
歌舞伎町で客引きについていったらいかんと説教しても良かったのですが、後学のため、そして何かあったら弁護士会に助けを求めれば良いかと考え(後述)、そのままついて行くことにしました。
店は雑居ビルの4階にありました。エレベーターを降りるとすぐ店内。
かなりの音量で音楽が流れています。
中はうす暗く、使い古したソファが一応規則的に並べてあり、天井から釣られたレースのカーテンのようなもので間が仕切られています。
全体の広さは小学校の教室くらい。
中には結構な人数のお客さんがいるように見えました。
席に案内されてすぐ「ビールだけは飲み放題が60分です」と言われました。
地味にセコい。
あと必ず1人1品ずつ注文しなくてはいけないとのこと。
こちらも枝豆が700円とかこれまた微妙に高い(もちろん特別おいしいわけでもありません)。
日本酒や焼酎もお察しです。
ただ、そのほかは割りと普通でした。
注文したらちゃんと出てきますし、店員さんの対応もそこそこです。
結局90分ほど飲んで、1人4000円弱。
内訳は飲み放題が1500円、食べ物は1000円前後のものを1人2品ほど、あと恐らくチャージが700円くらいついた模様。
うーん……提供された飲食物からすると満足度は非常に低いですし、もう来ねえよ!という気持ちになったのですが、ネタにできるほど高額な請求を受けたわけではなくもやもやする気分です。
あ、後輩連中は何だか変な店に入ってしまったとしょんぼりしてました。
その後は歌舞伎町のプロントで飲み直し。
ほっとしますね、プロントは・・・
さて、従来型のぼったくりというのは、「5000円ポッキリです」などと勧誘しておいて実はこれは席代で、ビールやポッキーを3万円だとかで計上し、更にそこにおねえちゃんの飲食代を加えてトータルで30万円請求する、といったタイプのものでした。
しかし、この手のぼったくり店が警察などの努力で経営しにくくなった結果、今回のような「プチぼったくり」ともいうべき店舗が幅を利かせているのかもしれません。
また、先日報道があったように、最近は風俗店を装った怖いお店も増えています。
えらい美人の写真を見せて売春を持ちかけ、実際部屋に行くと別人が現れるというもの。
しかもキャンセルしようとすると5万円払えだとか脅される模様。
歌舞伎町の警察には、この種の風俗店の相談が1月〜9月までで450件ほど寄せられているようです。
風俗系で騙されたと警察に言うのはかなり恥ずかしいので、相談をためらった方も数多くいることでしょう。
これはかなりの隠れ被害者がいると思われます。
ぼったくりに遭わないためにはどうしたらいいか
対策はただ一つ!「客引きについていかないこと!!」です。
とはいえ、お酒を飲んでいたりその場の雰囲気だったりで客引きについて行ってしまい法外な請求を受けてしまうこともありえます。
また、新手のぼったくりが現れて、客引き以外のパターンから不当な請求を受けてしまうこともあるかもしれません。
では、万が一ぼったくりに遭ったらどうしたら良いでしょうか。
もしぼったくりに遭ったら毅然とした対応を!
「最初に聞いた金額しか払いません」と言ってお金を置いて連絡先(住所)を伝えて帰ってくる。
これだけです。
まあ、相手も慣れているでしょうし怖いかもしれませんが、この手のお金は払ってしまうと後ですごく後悔します。
- 「払いません!」、
- 「住所はこれなんで民事で裁判でも何でもしてください」、
- 「帰ります!!」
対策はこの3つだけ。
それからこういったトラブルの時に私がいつも推奨することですが、スマホで録画を行っておくとなお良いです。
ちなみになぜ住所を渡すかですが、食い逃げ(=詐欺や窃盗)と言われないためと、「自分は逃げも隠れもしないので民事裁判を起こしてください」というメッセージを伝えるためです(裁判は基本的に住所と名前が分からないとできません)。
自宅の住所が嫌なら勤務先その他郵便がちゃんと受け取れる住所を伝えても構いません。
この手の対応をしぼったくり店が裁判を起こしてきたという例は聞いたことがありませんが、もし裁判所から書留のようなものが届いたらすぐ弁護士にご相談ください。
お金を置いて帰ろうとしたらお店の人に腕などをつかまれることもあるでしょう。
でも、そういう時はチャンスです。
暴行や監禁が成立し、堂々と警察を呼ぶことができるからです。
ぼったくりではないですが、以前私が扱った案件では「手首をつかんで引っ張った」だけで暴行の有罪判決を受けたことがありました。
このように暴行というのはかなりちょっとしたことで成立するので、胸ぐらをつかまれたりしたらむしろチャンス!とお考えください。
自分の力では解決できなくなったら「ぼったくり被害110番」へ!
酔っ払っているし冷静に対応する自信がない、それにぼったくり店に住所を伝えるのは嫌だという方へ、お金はかかりますが東京弁護士会が歌舞伎町商店街振興組合と協力してやっている「ぼったくり被害110番」という強い味方があります。
これはなんと! 夜の9時ころから夜中の12時過ぎまで弁護士が歌舞伎町の旧コマ劇裏あたりに待機していて、電話があったら駆けつけて交渉してくれるのです(ちなみに私は弁護士会が違うので参加していません)。
ぼったくりの解放交渉が2万5000円と正直結構なお値段がするのですが、お店にお金を払うくらいならこちらに頼んだほうが良いはずです!!
欠点は被害金額が2万5000円以下なら払った方が安く上がるということくらいでしょうか・・・
というわけで、楽しい飲み会シーズン、どうかトラブルなくお過ごしください。