自転車事故で高額損害賠償!気をつけたい交通ルールと過失割合

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小学校5年生の男児が運転する自転車が追突して怪我をしたとして被害者が損害賠償を求めていた裁判で、神戸地裁は男児の「母親」に225万円を支払う旨の判決を言い渡しました。
子どもが起こした事故の責任は監督義務のある母親が負うということのようです。怖いですね…

 

自転車事故で高額の損害賠償

 

この事件のみならず、最近は自転車事故の高額損害賠償事件が多発しています。

 

弁護士業務の虎の巻、「別冊判例タイムズ 民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」でも、先日発売された第5版では自転車事故の記載が大幅に増えました。

 

現在多くの事件が発生し、トラブルになっていることが分かります。

 

さて、いったん事故になるとよく聞く「過失割合」ですが、例えば信号のない交差点で自転車と車がぶつかった場合、基本は「自転車2:車8」となります(上述した過失相殺率の本より)。
ここに自転車の過失があると3:7になったり5:5になったりします。

 

交通事故では1割ちがうと数十万円から場合によっては百万円単位で損害額が変わってきます。
というわけで、どんなときに過失割合が変わってくるのか見てみましょう。

 

 

1 スピード

 

上述した2:8の過失割合は、自転車が時速15キロくらいで進行している場合を想定しています。
よって、低速の自転車については歩行者と同じように見て、1:9などと考える余地があるでしょう。

 

逆に自転車が時速30キロくらいで進行していた場合は単車に準じて考えるため、自転車の過失割合が大きくなります。

 

最近はロードバイクでかなりのスピードを出している方も少なくありません。
高速運転中はバイクと同じ過失割合になることを肝に銘じておきましょう。

 

 

2 自転車の著しい過失

 

酒気帯び、二人乗り、無灯火、並走、傘を差すなどの片手運転、携帯電話の通話、携帯電話の画面注視などはいずれも「著しい過失」となります。

 

1つにつき過失割合が5〜10%ほど加算となるため、酒気帯び+無灯火+傘差しの合わせ技だったりすると、過失割合が5:5くらいになることも。
80万円もらえた賠償金が50万円になってしまいます。

 

一方、自動車側は賠償額を減らすチャンスでもあります。
事故現場で余裕があれば、「無灯火だったこと」などをきちっと調書にとってもらうようにしましょう。
これだけで数十万円違ってくることもあります。

 

なお、酒気帯びや二人乗りなどここで挙げた事項はいずれも2〜5万円ほどの罰金となるので絶対にやめて下さい。

 

 

3 自転車の重過失

 

酒気帯びより更にひどい「酒酔い」状態の場合は重過失とされ、自転車不利に働きます。
ただ、夜はお酒を飲んで自転車を運転される方が多いですよね…

 

あとはブレーキのついていないピストと呼ばれる自転車で事故を起こした場合も重過失。
まあこれは当然かもしれません。

 

 

4 その他

 

 

・自転車の右側通行

 

自転車の右側通行は道交法違反です。
とはいえ、右側通行は直ちに過失割合に影響しません。

 

どういう場合が過失割合に影響するかというと文章で書くのは難しいのですが、主に「自転車が右側通行をして、車の左側から出てきた場合」です。
この場合は車から見て自転車を認識する時間があまりなく、出会い頭の衝突をしやすいからという理由らしい。

 

とはいえ、その他の場合であっても自転車の右側通行はとても危険ですし、運転者からすると邪魔です。
状況によっては過失割合にかかわってきます。絶対にやめましょう。

 

 

・自転車に乗りながら、イヤフォンを使用すること

 

これは地域によって差があるようですが、基本的に法律・条例違反です。
とはいえ、直ちに過失割合に影響しないっぽいという点においては右側通行と一緒。

 

ただ、車の音が聞こえにくい状態でぶつかったら過失割合を決める際に絶対揉めるでしょう。

 

なお、例えば東京都の条例は「高音でカーラジオ等を聞き、又はイヤホーン等を使用してラジオを聞く等安全な運転に必要な交通に関する音又は声が聞こえないような状態で車両等を運転しないこと」(東京都道路交通規則8条5号)となっています。

 

この書き方が微妙で、「音が聞こえれば」イヤフォンをしていてもセーフのようにも受け取れます。
現に、片耳なら大丈夫とか、外の音が聞こえるなら違反じゃないといった見解も散見されます。

 

ただ、警視庁のサイトを見るとイヤフォンはルール違反と明確に書いてあるので、変に解釈したりせず、イヤフォンをせずに運転すべきです。

 

以上、過失割合との関係を考えながら自転車運転ルールを検討してみました。
あなたもどうか安全運転を。

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